日本海から白馬岳へ①~栂海小屋まで~
5年前にタクさんのブログ『海抜0メートルから登る北アルプス「白馬岳」』で知った栂海新道。
いつか自分もチャレンジしてみたいと思ったのですが、なかなか実行せず5年が経過。
今年はそろそろ実行に移したいと思って、同期のKさんにも話を振っていたのですが・・・。
毎年7月に開催される会議の日時が決まらなくて、日程を決められない状態が続いていたのです。
ここを歩くときは花の良い7月半ば以降から下旬と最初から決めていましたので。
6月終わりになり、ようやく7月19日(水)に会議開催が決まり、この会議を利用して、木・金と休めば登れることとなりました(嬉)得意の出張利用の山歩きです(笑)
ところが、Kさんはぎっくり腰で不参加。折角の機会ですので単独で行くことにしました。
以前から計画は練っていましたので、行くと決めたら話は早い。
ホテルや山小屋の予約を済ませ、きっぷの手配も完了。あとは天気と自分の気力だけです。
天気予報が悪いなら無理せず中止しようと思っていましたが、17日(この日に送らないと間に合わない)の予報がまずまずでしたので、行くことに決め、荷物をホテルに送りました。
19日会議終了後、18時4分東京発の「はくたか」で糸魚川駅へ。
着いてから30分ほどの時間を利用して糸魚川駅横のスーパーでお酒を購入。
東京で買って行っても良かったのですが、出来れば新潟の地元のお酒が良いと思っていたのです。
でも、地元の紙パックの日本酒は1種類しかなくそれを4合分購入。水と少しの食料も追加で購入。駅のコンビニで朝食の弁当を購入。これで無事に準備完了しました。
そして21時発のえちごトキめき鉄道で親不知駅へ行く。駅で切符を買って、ホームへ。
予約した親不知観光ホテルは、この便までは駅まで迎えに来てくれるので助かります。
迎えていただいた方から明日以降の天気の話を教えていただく。「土日が悪くなりそうです」と。
土曜日に下山する計画ですので、1日悪いくらいは想定内です。
ホテルの風呂は21時までと思っていたら、22時まで入れるということで直ぐに入浴。
明日から3日間は風呂に入れないので助かりました。汗を流してすっきりしました。
就寝前に送り返す荷物を詰める。
「出来るだけ荷物は軽く、出発は早めに」と21日に泊まる予定の朝日小屋のご主人からのアドバイスに従って、出来るだけ送り返せるものは送り返すようにしました。
明日20日は、親不知の海岸から栂海小屋まで約10時間。
21日は、栂海小屋から朝日小屋まで10時間弱
22日は、朝日小屋から猿倉荘まで約12時間の山歩き。
(当初は白馬頂上小屋に泊まろうと思ったのですが、土曜日なので混みそうと変更)
山小屋に3泊するのは初めて。着替えも最小限にして山歩き用2着、帰る時の服1着にした。
食料も出来るだけ軽く、でも、カロリーはそれなりにを心掛けました。
お酒も3合に減らして、残る1合は寝酒に転用。22時過ぎに就寝。
いよいよ明日から山歩きが始まります・・・。
7月20日(木)晴れ時々曇り
この日の朝、2時半過ぎに起きてから弁当を食べて準備。
明るくなり始めた4時15分過ぎにホテルを発って、まずはホテル横の道を日本海へ下る。
登山靴を海に浸けた写真がなかなかうまく撮れず、難しいと痛感。この作業だけで5分以上かかった。
波とおいかけっこをして遊んでいるように見えたことでしょう(笑)
考えていたより5分ほど遅れて、4時36分、親不知の海岸を出発する。
近くのウェストン碑には寄るのを忘れてしまいました・・・。
ホテルの手前にあるのは休憩用の駐車場とトイレ。トイレの奥に海岸までの道があります。
手前の道路は国道で早朝でもトラックが通っていましたので、渡る時には注意が必要です。
植林の中を登りますが、鈴の鳴りが悪く、付け替えなど何度かザックを降ろして調整。
登り始めはいつも辛いが、睡眠不足に加えて、何となく空気を重く感じながら登ります。
ですから、歩き辛くて、遅い。しかも汗がどんどん出る。
気持ち良い自然林もあるのですが、それを楽しむ余裕もなく歩きます。
(帰ってからタクさんのブログを見直したら同じのを見たようです)
400mほど登るのにこんなに苦労したのも珍しい。
ここから再び登って行きます。
下の方からあちこちにショウジョウバカマに似た葉があったので、ショウジョウバカマとばっかり思っていたら、ノギランが全部開花したものでした。ノギランも開ききったのを見るのは初めて。
入道山から30分で最初の舗装路を通過。立派な案内板もあります。
塩飴だけでなく、塩も口に含んで塩分補給。足が攣ったら大変ですから。
途中、大きな杉に出合う。なかなかの大木でした。
この日は新潟も30度を超える予報でしたが、7時過ぎなのでまだ暑くなっていません。
それでも疲れました・・・。
今の内に標高を稼ぎたいところです。しばらく登ったところから海が見えました。
下の標識のすぐ近くに舗装路。ここまで車で来れます。
地元の方や時間短縮したい人はここから登るようです。
ここで靴に溜まった汗を拭きとり、靴下も絞る。相当汗をかいている。
靴の中まで濡れるくらい汗をかいたのも初めての気がする。
お腹も空いたので行動食のサンドイッチを食べる。さらに塩分も追加補給。
水を補給するが、ここは夏場は枯れることもあるそうなので、当てにしない方が良いです。
この日も流れてはいましたが、水量は少ない。
上からの水を金属の小タンクに貯めて、そこから蛇口で流しています。
シキ割りを過ぎてしばらく登ると木が倒れています。この辺りでも積雪量が多いのですね。
パンツ1枚になり、中で休む。ついでにおやつで体力の回復を図る。
きれいに整備された小屋です。
女性なら小屋の戸を閉めて、天照大神のように隠れなければなりませんでした。
ここで40分ほど衣類を乾かして、栂海小屋を目指します。かなり体力・気力の回復が出来ました。
小屋の裏に白鳥山(1287m)の標識がありました。
でも、ここから先は少しずつ花が増え、目を楽しませてくれました。
コメツツジは少し終わりかけですが、かわいらしい。
いくつかのピークを尾根沿いに歩きます。
距離から推定すると薄く見える奥のピーク付近に栂海小屋があると思われます。
右斜面は崩れていますが、登山路は危険ではありません。でも、そのうち崩れたら大変かも。
ヤマハハコ、早いですね。
白鳥山からだんだん標高が低くなっています。先のルートの写真でも縦走路が下に見えていましたよね。
今日泊まる栂海山荘には水場がありませんので、ここで水は必ず補給しなければなりません。
きれいで水量も多いですが、思ったほど冷たくはありませんでした。
でも、頭を冷やしたり、汗を拭いたりできて気分一新できるのが嬉しい。
黄蓮の水からの登り返しがきつい。
それでも、あともうひと頑張りすれば着くと気力を振り絞ります。
ミヤマママコナが咲いています。
写したときはお隠れになっていましたが、確かに見ました。嬉しい!
シモツケソウなども咲いています。
ずいぶんと長い距離を歩いてきました。
山と渓谷社の分県登山ガイドによると今日の累積標高は2,500mを越える。
何とか歩き通せて満足です。これで明日が楽になりました。
いよいよ北アルプスに来た!といった気になります。
そんなことをしていてYAMAPを忘れて、30分ほど放置。これも愛嬌。
白鳥小屋より大きく、食事が出来るテーブルも設置。
昨日から泊まっている柏崎の方も戻ってきて、汗で濡れた服を乾かしていました。
私だけ汗をかいたのではなくて、少しホッとしました。
服を乾かしながら、おつまみを肴に日本酒で晩酌。良いなぁ~。
18時前には食事(水でもどしたアルファ米とレトルトカレーに魚肉ソーセージ)を済ませて、一人一部屋ずつ使う贅沢な山小屋での夜を過ごしました・・・zzz。
今日の行程
親不知海岸4時36分→登山口4時46分→入道山6時4分→尻高山7時7分→坂田峠7時48分→
シキ割り8時42分~9時7分→白鳥小屋10時15分~58分→下駒ヶ岳11時57分→菊石山12時32分
→黄蓮の水12時46分~13時1分→栂海小屋14時51分
YAMAPはこちら→
一日目で、2500mですかあ!?凄すぎです。
靴下の汗を絞って~という表現にびっくりしました。
相当蒸し暑かったのでしょうが、それにしても塩飴、以外にも塩を舐めるという状況に、この日のハードさを感じました。
早立ちが良かったですね。到着してゆっくり休憩する時間が取れ、翌日の行動まで、体力の回復が進んだのではないでしょうか?
それにしても、私なら一日でおしまい!ですね^^;
>靴下の汗を絞って~という表現にびっくりしました。
いやぁ~、こんなに汗をかいたのは初めてと言った感じでした。
海岸からしばらくは空気が本当に重たくて・・・。苦労しました。
初日が一番の鍵と思っていましたので、何とか栂海小屋まではと思っていました。
思っていたよりは早く着いて、良かったです。早立ちは正解でした。
朝日小屋のご主人の勧めで予定より30分早く出発しました。
ポンちゃんなら私より2時間は早く着いていたでしょう、保証します。
初日から10時間を超すハードな歩き。お疲れ様でした。
しかもこの暑さの中で目的地の栂海小屋に無事ゴールイン。
明日からもハードなスケジュールの様でどのような展開になるのか楽しみです。
ホソバノヤマハハコの開花が早いのにはビックリでした。
読み応えありました!
いえ、感じ応えがあったというほうが合ってます。(^^)
お疲れ様でした。
そんなにハードに歩かれて、さらに先が続くのですね。
見せて頂くのがたのしみです。
以前、白馬~雪倉~朝日岳へと会の山行で行き、五輪尾根を下山したのですが、同行の方が親不知へ行ってみたいね。今度行こうよ~と言っていたのですが、そのままです。
そしてタクさんが歩かれたときにメールをした記憶があります。
下りでも長いですよねぇ~ それを登りに使ってわりに早い時間に着くなんて。やはりサイボーグですね。足元にゼンマイ仕掛けはないんですか(笑)
続きを楽しみにしています。たくさんのお花も~~
海抜ゼロからとは言え新潟なので・・・と思っていましたが、日本海の空気は
重く、雪のようでした・・・。
朝日小屋のご主人清水さんが云われたとおりでした。
でも、二日目以降は気温が違って、楽になります。
うすきさんも打つかはぜひ。良いアドバイザーになりますよ。
遠征は未だですか?
てっきり同じ時期に長野に行っていると思っていました(笑)
初日は本当に大変でしたが、あとは何とかなりました。
それも沢山の花のお陰です。
知らない花があちこちに・・・。うれしいです。
けいこたんもぜひ味わって下さいませ。
膝もだいぶ良くなられたようで何よりですが、ここはしっかりと治して下さいませ。
治ったと思ってから2週間の我慢が必要です。
さすが信ちゃん、栂海新道をご存知だったのですね?
私はようやく経験することができました。
でも経験者ですので、信ちゃんより少し偉くなった気分に浸れました(笑)
下りは水場の確認が一番ですが、信ちゃんなら登りをぜひ!
何ならご案内いたします。経験者ですから(笑)
キス釣りの後、ブログ更新がされないので、
遠征だろうな!とは思っていましたが、…
こんな凄い遠征だったとは…
ビックリです!
靴下の汗を絞るなんて、そんなの初めて聞きました。
国土地理院地図でルート確認して、再度ビックリです(@_@)
気にかけていただき、ありがとうございます。
>靴下の汗を絞るなんて、そんなの初めて聞きました。
私も初めてでした。この日、3回ほど絞りました(笑)
今回のルート、朝日岳までは人は少なく、花は多い、へこさん好みのルートと思います。いつかぜひ。